ロボコップ



1987年公開、ポール・バーホーベン監督作『ロボコップ』シリーズのリブート版新ロボコップ。
アメリカ合衆国という国柄を全面に押し出しながら、最大の皮肉とリスペクトを込めた演出に愛を感じる。
冒頭のMGMのトラに音を重ねたところから、変態ぶりも伺わせつつ、
黒のボディーの意味、右手への逆オマージュは見事。
物語として、人間に感情がある、家族が受け入れているという新たな設定にし、旧シリーズとは別のベクトルであることをあらわしていた。

裏切り方の展開がややチープでカタルシスを感じることが出来なかった点は残念でした。

中東紛争とアメリカの関わり方など、近未来の設定ながら、現代社会の風刺を皮肉的に、それをキャスターのサミュエル・L・ジャクソンに言わせてしまう辺りに変態ぶりがある。
彼の役はかなりおいしい位置づけにあり、老けてしまったゲイリーオールドマンの医者役もいささか物足りない印象。
バーディー感も希薄であったが、
監督なりに過激描写を作り込んでいたのが見事で、ドキュメントタッチの新ロボコップが誕生した瞬間だった。
意外と侮れないです。

2014/ジョゼ・パジーリャ/★★★☆☆☆