そして父になる




是枝裕和監督最新作『そして父になる』を新宿ピカデリーにて鑑賞。
何か特別な関わりはないが、何か特別な説明し難い思いで足を運びました。

本編の前に、先行上映だからだろうか
カンヌ国際映画祭の様子が流れた。
「父性」というテーマとは切っても切り離せないスピルバーグが審査員長で何か縁を感じる今年。
スピルバーグをはじめ、観客の鳴り止まない拍手とスタンディングオベーションは、
是枝監督やキャスト、スタッフにとって感慨深いものであったであろうが、
映画を志す人間にとっても、あの光景はとても刺激的に写り鳥肌が立った。
何度もテレビを観て、いたが、映画館のスクリーンはやはり特別で、、
この後僕が対峙する二時間を歓迎してくれているように感じた。
本編はまだ始まっていない。これからだ。

「そして父になる」の画像3

『そして父になる』の大きなテーマは、親子間の関係に於いて重要なのは「血」か「時間」か
ということ。
何をもって親子なのかと。

僕は今年で21歳で、親子でいえば「子」だ。
この映画は父である福山雅治の「親」視点で語られる。
僕とは違う視点。違うはずなのに、、、
妻である尾野真千子、取り違いの被害者夫婦のリリーフランキーにも真木よう子にも、
刹那的に感情の共感が生まれ、シーンごとにその人の内側に入り込めたかのような錯覚に陥る連続だった。

「そして父になる」の画像4

けれど、取り違えの本当の被害者は当人の子供達であることを忘れてはいけない。
弟、妹も含め被害者だ。
僕には、その弟、妹の心情が一番残酷に写ってしかたなかった。

まだまだ書きたいことはたくさんあるけれど、
語るのは映画『そして父になる』自身であるし、そこに全てが収められている。

GAGA配給の福山雅治さん主演、カンヌ国際映画祭で審査員賞受賞とあって、メディアも多く取り上げる。公開館数もの増え続けるだろう。
多くの方がこの映画を観るとおもうと本当に嬉しいです。

印象に残ってるのは、序盤の前橋に向かって車を走らせるシーン。
もっといえば、その螺旋状になっている道を走らせるところ。
あの映像に全ての思いが交差して、ぶつかり合って、監督の思いがあったように思う。

もうひとつ、
くり返し使われ、象徴的だったグレン・グルードが演奏するバッハの「ゴールドベルク変奏曲~アリア」のピアノの旋律です。
以前、アップリンクで彼の半生に迫ったドキュメンタリー『グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独』を観た事もあって、心に残っています。
ピアノが劇中で何かしらのアイテムとして出てくるとは思っていたけれど、
まさに効果的に「視覚」「聴覚」、そして僕の心を揺さぶり離さなかった。

プログラムも購入し、とても満足しています。
いい映画でした。

明日、9/28公開。是非。

 
 

エリジウム


「エリジウム」の画像1

2013/ニール・ブロムカンプ/★★☆☆☆☆

そして父になる


「そして父になる」の画像1

2013/是枝裕和/★★★★★☆

日本の悲劇


「日本の悲劇」の画像3

2012/小林政広/★★★☆☆☆

Xavier Dolan


グザヴィエ・ドラン (1989年3月20日- )
カナダ、モントリオールの映画監督。
子役出身の俳優であり多くの役割をこなす。

彼を紹介せずにはいられない。
とてつもないこの若き才能を。

24歳にして監督作3本カンヌで上映されるすでに映画祭の常連。
最新作もトロントに出展された。
デビューは若干19歳、2009年の『マイ・マザー』(J'ai tué ma mère)
震え立つ映像と色彩。かっこいいです。



先日公開された『わたしはロランス』(laurence anyways)
溢れ出る感情はどこに向ければ良かったのだろうか。
素晴らしかった。
監督自身が衣装もやり、一番のこだわりの音楽は突き抜けていた。










彼の才能に一度触れてみてください。

 
 
 
 
動画上がってはいませんが、2作目の『Heartbeats』も最高です。
 
 
File:Heartbeats.jpg
 
是非。

 

 

 

エンド・オブ・ウォッチ


「エンド・オブ・ウォッチ」の画像1

2012/デビッド・エアー/★★★★☆☆

タイピスト!


「タイピスト!」の画像1

2012/レジス・ロワンサル/★★★☆☆☆

サイド・エフェクト


「サイド・エフェクト」の画像1

2013/スティーブン・ソダーバーグ/★★★☆☆☆