胸騒ぎの恋人



今をときめくグザヴィエ・ドラン監督二作目。
間に挟まるインタビューシークエンスのあからさまなカメラの遊びは性と情の揶揄に感じ、F.Oと音楽の重なりは彼の強烈な個性で、『マイ・マザー』の時よりも狂気のような危うさよりも冷静な仕上がりになっていた。
ラストシーンは彼を投影するような感情に向き合い、素直なショットで好きでした。
日本公開三作でより色彩が秀でている感性で、
『わたしはロランス』のような唖然とするショットは少なかった。
三作を観て、徐々に編集の妙とスピード感が上手くなっていて、彼はこの先どこまで行くのだろうと。
とりあえず、タイトルは仮だが『トム・アット・ザ・ファーム』を観ろってことですね。

2010/グザヴィエ・ドラン/★★★☆☆☆