アメリカン・ハッスル




ハリウッドが本気を出して作った、最高のアメリカ映画!そんな感じだ。
D.O.Rが映画の中心にいるような現代の流れは奇妙であるが、一般観客に受け入れられ確実に評価されている。
プロデューサーは彼に任せれば間違いないという感じ。
ただこんな言葉を並べても仕方ないぐらいの驚くべき演出力と豪快かつ見事なシナリオの展開に唸るばかりで僕はのめり込んだ。

いちいち徹底していて付け入る隙がなく、ここまでやるか!と感嘆する。
デニーロの登場シーンは、お約束で分かっているし、それにデニーロも応える。
クリスチャン・ベイルは役者冥利につき流石の一言。
ブラッドリー・クーパーはこのコンビの安定感と抜群のセンスが光る。
エイミー・アダムスの色気たるや半端じゃない。そして魅了する力と均衡が素晴らしい。
そして何より素晴らしいのはやはりジェニファー・ローレンスだろう。
出演シーンは少ない中、画面に映れば全ては彼女の物。
他の役者を完全に喰っちゃう圧倒的な存在感。
絶対にアカデミーは取るべきだし、取って欲しい。この若さで素晴らしい。
どこまでいくのだろうか。
『ウィンターズ・ボーン』からの流れから一目を置いていたが、もう遠い存在に。とにかく期待するばかり。

笑いと愛が共存する、痺れるシーンはいくつもあった。
スクリーンと対峙すると、今公開されている話題作ほどスッキリしない、ある種の居心地の悪さがある映画であるから万人理解は難しいかもしれないが、この作品が凄いんだということは必ず伝わるだろう。
髪を振り乱しながら没入し、最後は賞賛の拍手が包む。
現段階の今年のベストムービー。

2013/デビッド・O・ラッセル/★★★★★☆