鉄くず拾いの物語



去年から今年にかけて、僕の中でかなりの問題作となった。
ノンフィクションを演出しフィクションに仕立てあげ、こちらでは分かりかねぬ異国の田舎町をこれでもかと示してくるが、押し付けとは違う心地悪さだけが残った。
僕が思うお金を払い映画をスクリーンで観るという体験とは違う角度からの提示であり、その部分ではまた映画を教わった。
作品だけを見ると、いささか疑問ばかりが残る。
子供たちのカメラを感じぬ演出は良かった。が、それさえも僕はあまり受け入れられず、
家族だけ見ればもっとやれる、何をしていると貧しさから感じる国や個々の苦しみは到底理解が出来なかった。
ドキュメントのように映画をどこまで作り込むかというのはとても難しいのだと改めて思うと同時に、この作品を良しとするなら、その理由は何か。

2013/ダニス・タノビッチ/★☆☆☆☆☆