エヴァの告白



原題の「移民」を『エヴァの告白』としたことは間違いないではないだろうし、それも有りなのだろう。
教会でエヴァは売春の罪を告白し、
神父は「神は許してくれる」と言う。
このシーンに全てがあったのだろう。が、そもそも罪が僕にはよく分からない。
最初の入国審査の際、妹は結核で隔離されエヴァはもがき苦しみ、妹を追い求め奔走する。
生活をする為に、お金を盗んだり、売春をしたり彼女は路頭に迷うのだが、
一つ一つがあっさりとしていて、感情が移る暇もなく煮え切らない。
何を罪とし、何に対して許しを乞うのか。
ラストカットの重みがなくて、ただホアキンの哀愁が光っていた。
コティアールはその象徴としてでしか存在していなかった、そんな風に映ってしまった。

2013/ジェームズ・グレイ/★☆☆☆☆☆