アスガー・ファルハディ監督




アスガー・ファルハディ監督作は、観客だけが物語の道筋を知っていて、主人公がその中で答えを探して行く。だがその結末は誰も知らない。

故のサスペンスだが、その過程が余りにも心情とリンクするため衝撃を受ける。

筋書きが有るようで無い人間ドラマ。

答えもまた有るようで無いリアルな人生のように。



『別離』は何度観直しても違うドラマを辿っていく。

それは鑑賞時の僕の感情によって変化する。

誰の目線にも潜り込んでしまって、今回は主人公の娘。何だろな、この繋がっていく感じ。

紐解かれる脚本と子供の演出が素晴らしいが、

それ以上に「カメラに映らない向こう側」を想像させる空気感が残酷で重い。




『彼女が消えた浜辺』『別離』は傑作。

そしてまた最新作『ある過去の行方』も傑作。



劇場でアスガー・ファルハディ監督作が観られるのに観ないのは勿体無い。

是非この機会に劇場に足を運んで下さい。

決して後悔はしません。

皆で『ある過去の行方』の話をしたいです。

僕ももう一度観に行きます。