WOOD JOB 〜神去なあなあ日常〜



矢口史靖監督が遂にやってくれた。
久しぶりに帰ってきた!そんな感じ。
初の原作物であるが素晴らしかった。
染谷将太は意図しないように意図した冴えない役を演じ、彼を引き立たせる脇役陣。
伊藤英明は、この自然バカ、筋肉バカを演じさせたら今は右に出るものはいないだろう。

近年の矢口史靖監督作品では飛び抜けた傑作。
『ウォーターボーイズ』の人から『WOOD JOB!〜』の人になっていくんじゃないだろうか。

何を撮るかではなく、どう撮るか。

青春映画を撮る上で、それを撮ろうとするのではなく、
固めていく演出でそれを描き出す。
田舎映画をとる上で、それを撮ろうとするのではなく、
林業というHow toを用いることで人間ドラマを映し出す。

難しい事はない。
けれど、丁寧に一つ一つ伏線を回収をしていく。
無理がないから楽しめる。
「ああやっぱり楽しかった」と心から思える。

携帯の電波一つとっても、
遮断から、接続に至るまでに主人公の成長を反映させる。
故に等身大の若者が出来上がるからあの台詞に無理がない。

『ウォーターボーイズ』的な演出もあり、ラストの流れは痺れました。
素晴らしい。

吹き替えなしで挑む監督の意図がしっかり伝わってくる。
これをエンターテイメントと呼ぶのだ!

2014/矢口史靖/★★★★☆☆