シンプル・シモン



スウェーデン発のハッピーラブコメディ。
ポップな演出と北欧テイストの色使いが音楽に乗せてたたみかける。
アスペルガー症候群の弟を背負った兄の不運を重くしない。
それが演出の妙であり、この作品のテーマ。
心が温まる、デートでも楽しめるコメディである。
兄弟の関係性が素晴らしい。
兄は良い意味でも悪い意味でも弟が全て。
弟の病気のせいで仕事も手つかない。
親公認の彼女にもフられてしまう。
この同情する、共感を持たせる兄目線でもある映画で、
それを超えた兄弟にほっこりして、
それぞれが家族のこと、兄弟のことを想起させることでハマっていく。

ただ、それでしかなかったというのが残念な部分でした。
想像していた通り面白かったし、
スウェーデンを感じる小道具、音楽もオシャレで楽しかった。
アスペルガー症候群を脳内を具現化させての演出も素晴らしかった。
けれど、想像内にとどまった。
そこを一つ踏み込む何かが欲しかったという感じでした。

ラストは、それしかないよな。
そうだろうなと。

アスペルガー症候群的な映画、最近多いなあ。

主演の、スカルスガルド次男坊。
この一家は恐ろしく良い。

2010/アンドレアス・エーマン/★★★☆☆☆