プリズナーズ



分かってはいたがもう本当にそっちの映画で心底やられました。
テーマは勿論重いが、それを際立たせる音楽や撮影で何か全てを吹き飛ばした。
脚本が巧妙で張り巡らされる伏線も見事だが、どこか危ない橋を渡るようなB級感。
そのギリギリのラインのせめぎ合いが張り詰めた緊張感を生み出す。

一種の、田舎ホラー。
想像は全部裏切られた。
この映画を観ていると、どこか俯瞰視している自分の日々置かれている環境がリンクしてくる。
人ごとではない。
一回パニックに陥ったら、その場に遭遇したら、ともはや自分の写し絵のよう。
かなり宗教的な暗喩があり、明かされた時、その「迷路」に自ら足を踏み入れていたと感服した。

ジェイク・ギレンホールの緊迫感、
ポール・ダノのいつも通りのハマり役は素晴らしい。
ヒュージャックマンのこの路線は少し疲れてしまう感じ。

脚本に魅了され過ぎた感も否めないが、ビルヌーブ監督にこの手を扱わせたら手に負えない。
毛嫌いしないで是非観て欲しいです。

2013/ドゥニ・ビルヌーブ/★★★☆☆☆