Kids Return キッズ・リターン 

 




続編が決定ということで前作を観直した。
北野作品ではかなり好きな作品。
象徴的な音楽は効果的で映画の印象と記憶をも支配する。
台詞を当日に渡す演出や飾らない重さは、今作から現在に至る。

今となってはそこまで浸透していない「キタノブルー」も、これを観れば一目瞭然。
ただの青ではない。
重苦しくグレーに包まれた青。
それは「青春」か「青空」か。
映画の雰囲気は透明だった。



ボクシング、漫才、監督の思いが詰まっていた。

北野武の復帰作であり、主演の二人の出世作でもある。
安藤政信は鼻の骨を折った。ラストのボクシングシーン。
安藤政信の演技ではない演技は最高のダウンだった。


「俺たちもう終わっちゃったのかなあ」
「馬鹿野郎、まだ始まっちゃいねえよ」

1996/北野武/★★★★☆☆ DVD